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ビデオ撮影・編集・制作・映像用語集 あ行の用語

▼アイリス


カメラの絞りのこと。レンズの根元に装備されている数枚の黒い羽を動かして、入ってくる光の量を調整する機構。 「F値」で表現される。一般的には一眼レフスチールカメラに標準的に付いている。家庭用ビデオカメラには「明るさ」という表示で絞りと、電気的に映像を明るくする装備とが一体になっていることが多いが、業務用ビデオカメラにはそれらがはっきりと分かれている。電気的に明るさを調整する「ゲイン」調整では画像の粒子が粗くなるので解像度が大きく失われる。尚、「アイリス」と「フォーカス」は密接な関係にある。→被写界深度

▼IEEE1394


「IEEE」とは「アメリカ電気電子学会」(世界最大のエレクトロニクス関連学会)のこと。主に映像などの大量のデータを伝送するためのコネクター・ケーブルの規格。「iLINK」「DV端子/ケーブル」「ファイヤー・ワイヤー」とも呼ばれる。元々アップルが開発したが、IEEEが標準化して普及している。現在ほとんどのビデオカメラ、デジタルビデオ機器に装備され、PCにも装備でき、映像データの双方向伝送のみならず、機器のコントロールも可能。コネクターに4ピンと6ピンの2種類がある。大変便利なコネクター・ケーブルではあるが、端子が小さくて破損しやすく、抜けやすいので取り扱いに注意が必要。

▼アスペクト比


映像の横:縦の比率のこと。これまでのSDテレビ放送やビデオで使用されてきたのが4:3のサイズ。現在普及しつつあるHD(ハイビジョン)タイプの映像に代表されるサイズが16:9。映画の場合はまた別にいくつかのサイズがある。 →SD HD

▼アドレス

 

映像編集に必要な素材やマスターテープなどのデータに記録されているタイムコード(TC)などの数値や記号などの情報のこと。業務用ビデオの場合(民生用DVも)、撮影されたテープには必ずTCが記録され、動画を構成するそれぞれのフレームに時間単位の地番がつけられるので、その地番を読み取り、指定して編集を正確に行うことができる。 →タイムコード

▼アフレコ


アフター・レコーディンクの略。事前に作られた映像にナレーションやコメントなどをその映像を見ながら、編集(録音)していく作業。番組制作などで、ニュースなどの映像を見ながらキャスターや解説者が説明や感想を話す時などによく使われる。

▼ENG(Electronic News Gathering)

 

ビデオカメラによる報道取材のこと。かつて米国のCBSがそう名付けた。ただ現在一般的にはニュース報道のみならず、手持ち可能なビデオカメラによる撮影全般をそう呼ぶことがある。スチールカメラと区別する時も「ENGカメラ」と呼ぶことが多い。

▼板付き


舞台やスタジオで被写体が初めから決められた場所にいて、演技やイベントを始めること。
 

▼イマジナリーライン
 

(※この難しい言葉を覚える必要はありませんが、映像を作る上で大変重要な基本の一つです。)

ひとつの場面で被写体である人物や物が、その位置関係や移動・向きの方向性に不自然な表現にならないように作られる、仮想上の基準となる線のこと。よくあるパターンとしては、向き合っている2人の対談を2台のカメラで収録するときにカメラ位置を間違えると、この2人が同じ方向を向いて対談しているような表現になってしまうことがある。それは2人の被写体を結ぶ「イマジナリーライン」をどちらか一方のカメラが越えてしまっているからである。他にも列車や車などの移動物の表現でも注意が必要な場合がある。

▼色温度


炭などの黒物体を熱した時に変化する色が、その温度と発する光の色が比例することから、「光の色」を特定して表すのに使用される。単位はK°(ケルビン)。カメラのホワイトバランスを決定する時に参考にされるのでプロカメラマンは○○K°がどんな色の光かということは当然知っていなければならない。ホワイトバランス

▼インカム

 

複数のカメラマンやスタッフが収録や進行の指示・情報を伝達し合うためのヘッドホンマイクのこと。通常はケーブルをつないで設置するが、無線インカムもある。

▼インサート


編集技法の一つで、既に編集された映像の一部を、別の映像または音声に入れ替えてしまうこと。映像のみや音声の1chまたは2chだけ、映像・音声全てインサートするなどができる。撮影の時にも本来の収録とは別に「インサート」用のカットを撮影する(エキストラカットとも言う)場合がある。
 

▼イントレ


いわゆる「カメラ台」またはヤグラのこと。高い位置からの俯瞰(フ力ン)で被写体を撮影するときに設置する。アメリ力映画「イントレランス」でこれを使った撮影をしたことが有名になりこの名称で呼ばれるようになった。 →俯瞰(フカン)

▼S端子


映像信号には明るさの信号である「輝度信号」Yと色を表現する「色信号」Cとで主に構成されているが、VHSビデオなどではこれらの信号を多重して記録されるため、通常の映像ケーブルコンポジッ卜信号でコピーダビングするとY/C間で干渉が起こり、画質が落ちてしまう。「S端子」ケーブルはそのY/Cを分離して別々に送るため、画質が落ちにくいという利点がある。一方、端子自体が大変細い線とコネクターで作られているため、断線、破損しやすいという物理的に弱い欠点がある。

▼SD (Standard Definition)映像


「HD」映像の出現に伴い、従来のTV、VTR映像のことを総称して「SD」TV、「SD」ビデオなどと呼んでいる。

▼HD(High Definition)映像


いわゆる「ハイビジョン」映像の正式名称。(「ハイビジョン」という名称は日本だけの使用。)これまでのNTSC映像をはじめとするSD映像に比べ、走査線数が倍以上で、解像度が大幅にアップし、アスペクト比も16:9という映画に近い横長の映像となっている。現在地上波デジタルの進行とともに「HD」放送TVがスタンダードとなりつつある。HDビデオ映像については、従来のSDビデオ映像に比べ大幅なデータ量になるため、様々な圧縮方式やメディアが開発され、次々と新しい製品が発表されつつある。HDビデオの記録コーディックについては、その多くが「MPEG2」「AVCHD」などの「フレーム間圧縮」方式が民生用から業務用まで採用されているが、「フレーム内圧縮」を採用しているのが放送用規格「HDCAM」(ソニー)「DVCPROHD」(パナソニック)があり、最近では「AVC-intra」(パナソニック)が新しい規格として使用されている。
 

▼NTSC

 

日本で採用されているTV、ビデオの映像信号方式。アメリ力で開発された。これを解説するにはあまりにも専門的な内容になるので、割愛。覚えておくと便利な事項として、1秒間に構成されるフレーム(映画のコマのようなもの)が30フレームであること。日本以外には韓国、台湾、フィリピンなどが採用。他にはドイツが開発した「PAL(パル)方式」(主にイギリス、イタリア、中国などが採用)、フランスが開発した「SECAM(セカム)方式」(主にロシア、旧東欧、中東などが採用)などがある。注意しなければならないのはPALとSECAM方式の映像は1秒間のフレーム数が25フレームであることや映像表現方法のシステムがNTSCとは異なるため、方式変換しなければ違うもの同士でのダビングコピーは出来ないし、変換した映像はかなり画質の落ちたものになってしまう。
 

▼絵伸ばし

 

映像の編集ポイントを音声の編集ポイントより前または後に伸ばして編集すること。音声を同じ処理をすることを「音伸ばし」または「音ずらし」などとも言う。

▼エフェクト

 

映像または音声を様々な効果を付けるために信号的に加工すること。

▼MA(Multi Audioの略)

 

映像作品を制作する上で、音声の整音や効果音・音楽・ナレーション入れなどの作業を行うこと。「MAスタジオ」はそうした作業を行う特別な設備が整えられ、専門スタッフが運営する。

▼オーバーラップ(OL)(略してOL・オーエル)

 

一つの映像(または音声)「A」と別の映像(または音声)「B」をつなぐ場合に、ある一定の時間と共に徐々に「A」が消えて「B」へ全体的に合成されて変わっていく編集技法。「ディゾルブ」とも言う。ここで注意しなくてはならないのは、例えば「A」が3秒、「B」が3秒あり、OLする長さが1秒必要な場合は全体の長さが3+3−1=5秒になること。単に「A」と「B」をつなぐ時とは時間尺が変わってしまうので、注意が必要。 A・BをOLして6秒を維持したいのであれば「A」と「B」の映像をそれぞれ伸ばして使用するしかない。(A・Bの映像自体がそれぞれ3秒半必要ということ)ワイプの場合も同じことである。 →ワイプ

▼オフライン編集

 

本番の編集(オンライン編集)の前に編集作業を効率化するため、VHSテープなどに素材映像をコピーしたワークテープを使って仮の編集を行うこと。「ワーク編集」とも言う。最近ではノンリニア編集が普及してきたのに伴い、こうした作業はほとんど不要になった。ただ、大量の素材がある場合などは「ワークテープ」を作って、使用する部分を指定して絞り込んだ方が効率的になる場合もある。 →ワークテープ

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