ビデオ撮影・編集・制作・映像用語集
このビデオ映像に関する用語集は一般のクライアント様に知っていただくと便利と思われる基本的な用語のみを解説させていただきました。
もちろん特にご存知でなくてもいっこうに構いません。
また技術専門家から見れば正確ではないと指摘される表現もあるかもしれませんが、ビデオ・映像業界ではない方のために記載するものですので、ご了承ください。
正確なビデオ・映像に関する用語解説を知りたい方は専門書や技術ハンドブックをご覧ください。
【あ行の用語】
アイリス
カメラの絞りのこと。レンズの根元に装備されている数枚の黒い羽を動かして、入ってくる光の量を調整する機構。「F値」で表現される。一般的には一眼レフスチールカメラに標準的に付いている。家庭用ビデオカメラには「明るさ」という表示で絞りと、電気的に映像を明るくする装備とが一体になっていることが多いが、業務用ビデオカメラにはそれらがはっきりと分かれている。電気的に明るさを調整する「ゲイン」調整では画像の粒子が粗くなるので解像度が大きく失われる。尚、「アイリス」と「フォーカス」は密接な関係にある。→被写界深度
IEEE1394
「IEEE」とは「アメリカ電気電子学会」(世界最大のエレクトロニクス関連学会)のこと。主に映像などの大量のデータを伝送するためのコネクター・ケーブルの規格。「iLINK」「DV端子/ケーブル」「ファイヤー・ワイヤー」とも呼ばれる。元々アップルが開発したが、IEEEが標準化して普及している。現在ほとんどのビデオカメラ、デジタルビデオ機器に装備され、PCにも装備でき、映像データの双方向伝送のみならず、機器のコントロールも可能。コネクターに4ピンと6ピンの2種類がある。大変便利なコネクター・ケーブルではあるが、端子が小さくて破損しやすく、抜けやすいので取り扱いに注意が必要。
アスペクト比
映像の横:縦の比率のこと。これまでのSDテレビ放送やビデオで使用されてきたのが4:3のサイズ。現在普及しつつあるHD(ハイビジョン)タイプの映像に代表されるサイズが16:9。映画の場合はまた別にいくつかのサイズがある。→SD HD
アドレス
映像編集に必要な素材やマスターテープなどのデータに記録されているタイムコード(TC)などの数値や記号などの情報のこと。業務用ビデオの場合(民生用DVも)、撮影されたテープには必ずTCが記録され、動画を構成するそれぞれのフレームに時間単位の地番がつけられるので、その地番を読み取り、指定して編集を正確に行うことができる。→タイムコード
アフレコ
アフター・レコーディンクの略。事前に作られた映像にナレーションやコメントなどをその映像を見ながら、編集(録音)していく作業。番組制作などで、ニュースなどの映像を見ながらキャスターや解説者が説明や感想を話す時などによく使われる。
ENG(Electronic News Gathering)
ビデオカメラによる報道取材のこと。かつて米国のCBSがそう名付けた。ただ現在一般的にはニュース報道のみならず、手持ち可能なビデオカメラによる撮影全般をそう呼ぶことがある。スチールカメラと区別する時も「ENGカメラ」と呼ぶことが多い。
板付き
舞台やスタジオで被写体が初めから決められた場所にいて、演技やイベントを始めること。
イマジナリーライン
(この難しい言葉を覚える必要はありませんが、映像を作る上で大変重要な基本の一つです。)
ひとつの場面で被写体である人物や物が、その位置関係や移動・向きの方向性に不自然な表現にならないように作られる、仮想上の基準となる線のこと。よくあるパターンとしては、向き合っている2人の対談を2台のカメラで収録するときにカメラ位置を間違えると、この2人が同じ方向を向いて対談しているような表現になってしまうことがある。それは2人の被写体を結ぶ「イマジナリーライン」をどちらか一方のカメラが越えてしまっているからである。他にも列車や車などの移動物の表現でも注意が必要な場合がある。
色温度
炭などの黒物体を熱した時に変化する色が、その温度と発する光の色が比例することから、「光の色」を特定して表すのに使用される。単位はK°(ケルビン)。カメラのホワイトバランスを決定する時に参考にされるのでプロカメラマンは○○K°がどんな色の光かということは当然知っていなければならない。→ホワイトバランス
インカム
複数のカメラマンやスタッフが収録や進行の指示・情報を伝達し合うためのヘッドホンマイクのこと。通常はケーブルをつないで設置するが、無線インカムもある。
インサート
編集技法の一つで、既に編集された映像の一部を、別の映像または音声に入れ替えてしまうこと。映像のみや音声の1chまたは2chだけ、映像・音声全てインサートするなどができる。撮影の時にも本来の収録とは別に「インサート」用のカットを撮影する(エキストラカットとも言う)場合がある。
イントレ
いわゆる「カメラ台」またはヤグラのこと。高い位置からの俯瞰(フカン)で被写体を撮影するときに設置する。アメリカ映画「イントレランス」でこれを使った撮影をしたことが有名になりこの名称で呼ばれるようになった。→俯瞰(フカン)
S端子
映像信号には明るさの信号である「輝度信号」Yと色を表現する「色信号」Cとで主に構成されているが、VHSビデオなどではこれらの信号を多重して記録されるため、通常の映像ケーブルコンポジット信号でコピーダビングするとY/C間で干渉が起こり、画質が落ちてしまう。「S端子」ケーブルはそのY/Cを分離して別々に送るため、画質が落ちにくいという利点がある。一方、端子自体が大変細い線とコネクターで作られているため、断線、破損しやすいという物理的に弱い欠点がある。
SD(Standard Definition)映像
「HD」映像の出現に伴い、従来のTV、VTR映像のことを総称して「SD」TV、「SD」ビデオなどと呼んでいる。
HD(High Definition)映像
いわゆる「ハイビジョン」映像の正式名称。(「ハイビジョン」という名称は日本だけの使用。)これまでのNTSC映像をはじめとするSD映像に比べ、走査線数が倍以上で、解像度が大幅にアップし、アスペクト比も16:9という映画に近い横長の映像となっている。現在地上波デジタルの進行とともに「HD」放送TVがスタンダードとなりつつある。HDビデオ映像については、従来のSDビデオ映像に比べ大幅なデータ量になるため、様々な圧縮方式やメディアが開発され、次々と新しい製品が発表されつつある。HDビデオの記録コーディックについては、その多くが「MPEG2」「AVCHD」などの「フレーム間圧縮」方式が民生用から業務用まで採用されているが、「フレーム内圧縮」を採用しているのが放送用規格「HDCAM」(ソニー)「DVCPROHD」(パナソニック)があり、最近では「AVC-intra」(パナソニック)が新しい規格として使用されている。
NTSC
日本で採用されているTV、ビデオの映像信号方式。アメリカで開発された。覚えておくと便利な事項として、1秒間に構成されるフレーム(映画のコマのようなもの)が30フレームであること。日本以外には韓国、台湾、フィリピンなどが採用。他にはドイツが開発した「PAL(パル)方式」(主にイギリス、イタリア、中国などが採用)、フランスが開発した「SECAM(セカム)方式」(主にロシア、旧東欧、中東などが採用)などがある。注意しなければならないのはPALとSECAM方式の映像は1秒間のフレーム数が25フレームであることや映像表現方法のシステムがNTSCとは異なるため、方式変換しなければ違うもの同士でのダビングコピーは出来ないし、変換した映像はかなり画質の落ちたものになってしまう。
絵伸ばし
映像の編集ポイントを音声の編集ポイントより前または後に伸ばして編集すること。音声を同じ処理をすることを「音伸ばし」または「音ずらし」などとも言う。
エフェクト
映像または音声を様々な効果を付けるために信号的に加工すること。
MA(Multi Audioの略)
映像作品を制作する上で、音声の整音や効果音・音楽・ナレーション入れなどの作業を行うこと。「MAスタジオ」はそうした作業を行う特別な設備が整えられ、専門スタッフが運営する。
オーバーラップ(OL)
一つの映像(または音声)「A」と別の映像(または音声)「B」をつなぐ場合に、ある一定の時間と共に徐々に「A」が消えて「B」へ全体的に合成されて変わっていく編集技法。「ディゾルブ」とも言う。ここで注意しなくてはならないのは、例えば「A」が3秒、「B」が3秒あり、OLする長さが1秒必要な場合は全体の長さが3+3−1=5秒になること。単に「A」と「B」をつなぐ時とは時間尺が変わってしまうので、注意が必要。→ワイプ
オフライン編集
本番の編集(オンライン編集)の前に編集作業を効率化するため、VHSテープなどに素材映像をコピーしたワークテープを使って仮の編集を行うこと。「ワーク編集」とも言う。最近ではノンリニア編集が普及してきたのに伴い、こうした作業はほとんど不要になった。ただ、大量の素材がある場合などは「ワークテープ」を作って、使用する部分を指定して絞り込んだ方が効率的になる場合もある。→ワークテープ
【か行の用語】
解像度
映像の細部をどこまで表現できるか、という画質評価の一つ。専用チャートで決定する。主に「水平解像度」と「垂直解像度」という基準がある。ビデオフォーマット、モニターやビデオカメラ、レンズ、それぞれにスペックがあり、機器のパンフレット等にある仕様の解像度が実際に表現されるかは使用機器による。尚、映像の「画質」は解像度だけで決定するものではないので、カメラやモニターを自身の目で実際に見比べてみないと、本当の良し悪し判断は決めることはできない。
肩なめ・肩越しショット
被写体の一部である人物の斜め後ろから、肩や後頭部を画面右か左の手前に入れて、その人物の目線にある別の被写体を写す画面表現。手前の人物が大きく表現されることで遠近感が表現されると同時に、人物がその目線の先のものに感情移入している様が表現される。よくあるパターンとして2人の人物が向かい合って会話や討論をしている様子を撮るときなどによく使われる。
カット
映像制作ではいくつかの意味として使われる。撮影時に収録を止める時に、また編集時にある部分で、映像を切るときに「カット」すると言う。収録した映像の一区切りの部分や、一つの画のことを「カット」と呼ぶことがある。「カット編集」「カットで、つなぐ」と言う場合には2つの映像をOLやワイプなどの合成を使わず単につなぐだけの編集の時に使う。→OL ワイプ
上手(かみて)
元々舞台用語で客席から見て舞台の右手をそう呼ぶ。スタジオ等ではカメラ位置から見て右手を「上手」と呼んでいる。ちなみに左手は下手(しもて)。「右」「左」で表現するとその人の向きによっては正反対の位置を指すことになり、混乱を招いてしまうので、絶対位置を定めるために「上」「下」と呼ぶことにしている。→下手
カメラリハーサル(略して力メリハ)
本番の撮影の前にカメラの動きや映像の内容、被写体の位置や動き、音声や照明の具合をチェックするために本番同様に撮影をしながらリハーサルを行うこと。これは主に番組やドラマ収録など、あらかじめ台本や内容が決められている場合に行われることなので、インタビューや対談などの収録では通常そうしたことは行わない。
カメラワーク
カメラマンが撮影するときに行うオペレーション全般のことを指す。(カメラ位置決め、構図、絞り、フォーカス、ズームなど。)
カラーバー
ビデオ映像の色や明るさ、画質全般の調整をするために使う基準信号でいくつかの種類がある。映像制作者はこの見方、使い方を習得しておかなくてはならない基本である。よくテレビ放送で深夜、その日の放送番組が全て終わって次の番組が始まるまでの合間に流されることがある。
完パケ
「完成パッケージプログラム」の略で要は完成されたマスターテープなどのデータ媒体のこと。通常は本編の内容の前に基準となる映像・音声信号やクレジット(作品タイトル・制作日・放送日などを記入した画面)が入っている。基準信号はこのビデオの放送、複写等を行う時に映像や音声の調整を行う必要があるからで、それが入っていないと、正確なコピーや変換ができない。また完パケテープには「プログラムシート」が添付されてこのビデオの映像・音声データの詳細が記入されている。
キーライト
被写体に一番強く当てる照明。被写体を明るく照らすことにより、艶(つや)と立体感を表現する。被写体が人物であれば、正面より45度程度横、背丈より高く設置するのが基本。
キャノンコネクター
「XLR」とも呼び、業務用のコネクターの一つ。主に音声用や電源用に使われていて、ピンの数によりいくつかの種類がある。民生用のコネクターと違い、引っ張っただけでは抜けないのが特徴であることと、音声用は「シールド」が平衡(ノイズ防止のためのアースがきちんと独立した導線として分かれていること)であるため、民生用のコネクターより信頼性が高く、音質も良い。ビデオ収録では通常、これを用いて音声収録を行う。
キュー
編集点のこと。編集点を決める時は「キューイングをする」とも言う。また演技やアクションや発言のきっかけ、タイミングのことでもある。「キュー出しをする」という言い方をする。
串刺しショット
被写体で、ある人物の背後に柱などが縦軸に重なっているショット。心理的に「はりつけ」などのイメージがつきまとうので良くないと言われているが、縦長のもの(人物)に同じく縦長のもの(柱)が重なるというのは手前の人物の印象が薄くなってしまい、奥行き感のない絵になってしまうという意味でも良くない。
首切りショット
被写体である人物の首のあたりの背後に横軸のものがあるショット。心理的に「さらし首」「首切り」のイメージがつきまとうので良くない。同様に人物の顔のアップを撮る時に、画面下に首をもってくるのも同じようなイメージがあるので良くない。人物のアップショットを撮る時は必ず肩のラインを多少入れ込みにしたサイズを作るべきである。
コンポーネントビデオ信号
ビデオ映像を構成するいくつかの信号を別々に記録・入出力するビデオ形式。ビデオ信号は主に4つの信号によって構成されている。3原色(R赤・G緑・B青)の色信号と輝度信号(Y)である。この4つを別々に記録し、送ることによって、それぞれの信号同士の干渉がなくなり、理想的に高い画質を得ることができる。実際のコンポーネントビデオは色信号と輝度信号を分けた形式で記録し、出入力ではR赤・B青・Y輝度の3つの信号を分けて送る。(G緑はこの3つで表現できるので不要)
コンポジットビデオ信号
色信号と輝度信号を多重して記録するビデオのこと。身近なものではVHSビデオはこれになる。出入力は1本の映像端子・ケーブルでできるが、信号同士の干渉が発生するため画質は落ちる。S端子を使うことでY/C分離させて画質劣化を多少防ぐことができる。
【さ行の用語】
再撮
スクリーンやモニターに映し出された映像をカメラで撮影すること、またはプリントされた写真に照明を当ててカメラで撮影することを「再撮」という。実際には写真や書籍、物品などを接近して撮影すること全般を「再撮」と言うことが多い。
サス(サスペンションライト)
被写体に向かって真上から当てる照明方法。主に舞台やスタジオなどで闇黒の背景に人物などを浮き立たせる演出効果を狙う。
シーケンス
映像作品の全体の中で、ある程度まとまった部分のこと。カットをいくつかつないで、一つの「シーン」となり、いくつかの「シーン」がまとまって一つの内容になった部分が「シーケンス」。
CCD
ビデオカメラのレンズがとらえた映像を電気信号に変換、整理するための電子撮像板。「CCD」が実用化されるまでは、「撮像管」と呼ばれる真空管が使われていた。「CCD」の登場によって、カメラの小型化、軽量化、省電力化、高画質化が実現し、現在も日進月歩で新しい技術が開発されつつある。尚、業務用カメラではこのCCDを3枚使用し(一部の民生機にも使用)、プリズムを使って光を3原色に分け、3つのCCDに映像をそれぞれ振り分けることにより正確な色表現が実現し、より高画質な映像を撮影することができる。(「3CCDカメラ」または「3板カメラ」と呼ばれ、CCD1枚のカメラは「単板カメラ」と呼ばれる。)
下手(しもて)
元々舞台用語で、客席から見て舞台の左手をそう呼ぶ。スタジオ等ではカメラ位置から見て左手を「下手」と呼んでいる。→上手
シャッター
スチールカメラのシャッタースピードのことであるが、ビデオカメラの場合はシャッターそのものが存在しないので、露出を調整するためにCCDから伝えられる光の電気信号を電子的に制御して同様の効果を得られる「電子シャッター」が装備されている。これは主に蛍光灯(50Hz)のフリッカーや、パソコン画面のチラツキを除去するために「シャッター」数値を設定する他、晴天の雪山や白い砂浜など、周りの被写体が明るすぎる場合などに「シャッター」調節を入れたりすることがある。また高速度で移動する被写体を捕らえる時にも使うことがあるが、動きが不自然になることもあるので、ケースバイケースである。
白マスター
マスター完パケを作製する際に字幕やタイトルを入れる前の、または入れていない映像のみのマスターのこと。これは編集完了後に字幕などを入れ直す必要がある場合に素材として使用するのが主な目的。また他の作品に転用する必要が出た場合に字幕が乗っていると使いづらい場合があるので「白マスター」があると便利である。→完パケ
スイッチャー
2つ以上の映像信号(カメラやVTRなど)を入力して切り替えたり、ワイプやエフェクトをかけて編集し、収録用のVTRなどに出力する機械。スタジオや中継車などにある大掛かりなものから、ロケーション用の簡易的なものまで様々。これを使って収録することを「スイッチングする」とも言う。
スーパーインポーズ
2つ以上の映像を重ねることを言うが、主に字幕などの文字データを映像に乗せることを言う。単に「スーパー」「字幕スーパー」などとも言う。
スクリプター
脚本作家のことであるが、ドラマなどの撮影で、演技のつながりやセットや衣装など周辺の状況を記録する係り(記録)のこともそう呼ぶ。
スミア
CCDビデオカメラで、太陽やスポットライトなど明るい一点が入った景色を撮影したときに、その明るい一点から光が漏れるように出る縦に白い帯状のノイズのこと。CCDの唯一ともいえる電気的な欠点であるが、最近では技術的にかなり改善されている。業務用カメラでレベルの高いものでは「FIT CCD」と呼ばれるCCDを使用し、スミアが全く出ないものもある。
セットアップ
ビデオ信号の黒レベルの規定。日本のNTSCでは0%にされているが、米国では7.5%となっている。すなわち早い話しが、同じ規格でも米国で作られたビデオ映像を日本仕様の再生機で再生すると、黒色が薄まったように出る、ということ。ただし、実際のビデオカメラや編集機で作られる黒色は「ペデスタル」と呼ばれる設定で0%より多少上げた黒色が出るように調整されている。ちなみに0%を下回ることがあると、映像の制御信号に悪影響を及ぼすため、映像自体が乱れてしまう。→NTSC
【た行の用語】
タイムコード(TC)
業務用ビデオには必ず録画された信号と共にフレームごとに時間単位のタイムコードが記録される(民生用DVビデオにもある)。ビデオ撮影では通常00:00:00:00(時:分:秒:フレーム)から始めて歩進していくが、業務用の場合には任意の時間を設定したり、2台以上のカメラと同期させて、同じ値のTCをセットし、歩進することも可能である(複数台のカメラで撮影したものを編集するときに便利)。完パケテープを作製するときには本編の前に基準となる信号を入れなくてはいけないので、本編を通常01:00:00:00からスタートさせるためにテープの走り始めのTCはそこから必要な時間尺をさかのぼったTCをセットしなくてはならない(00:58:00:02など)。尚、NTSCビデオではTCの歩進と実際の時間の歩進に誤差が生じてしまう。そこで業務用VTRには「DF(ドロップフレーム)」という設定があり、途中決められた時間になると2フレーム間引いてTC時間を実時間に合わせている。「NDF(ノンドロップフレーム)」に設定するとその間引きが行われない(民生用VTRは元々DFに設定されている)。ちなみにNTSCビデオの1秒間のフレーム数は30と解説したが、上記の実時間との誤差から実際には平均値29.97フレームとなる。→NTSC
タイムライン
ノンリニア編集で、編集画面上に時間軸に並べられた映像、音声、テロップなどのデータの表示のこと。
タッチライト
被写体の背後などにアクセントをつけるために当てる照明のこと。
ティルト
カメラワークで縦方向にカメラを動かして撮影すること。「テイルト・アップ」「テイルト・ダウン」という言い方をするが、「パン・アップ(ダウン)」という言い方をする場合もある。→パン
DVDビデオ
DVDメディアにはいくつかの種類があるが、いわゆる一般的に使用されているDVDビデオについて簡単に触れたい。主に映像と音声を圧縮されたデジタル信号で記録された光ディスクで、実際に記録できるファイルは「MPEG−2(エムペグ-2)」というフォーマット。映像のデータは画像などのデータに比べ、はるかに膨大な量のデータであるため、1時間〜2時間程度の映像をディスクに記録するためには、1秒間に30フレームある一枚一枚のデータ全てを記録したのではとうてい不可能である。そこでいくつかのフレームそのものを間引いて、Iフレーム・Pフレーム・Bフレームという3つのデータを組み合わせ、実際に記録した映像の前(過去)を参照し、後(未来)を予測して間引いた映像を作り出して再生しようというシステムである。いわゆるDVなどのデジタルビデオの場合はフレームのデータは圧縮して記録するが、全てのフレームは生きているのでそこがDVDビデオとは大きな違いである。よって、MPEG−2のフレームレートを下げれば、より長時間の映像がディスクに記録できるが、実際に記録されていない部分の映像の再生がおろそかになり、画質が荒くなったり、モザイクが出たりすることがある。
デュレーション
編集で使用する映像の1カットの時間尺(長さ)。または「ディゾルブOL」やワイプの効果時間尺のこと。
てれこ
映像制作全般の作業で順序を入れ替えること、またはあべこべになっていることをそう呼ぶ。
テレシネ
映画フィルム映像をビデオ映像に変換すること。これには主に2つの問題点がある。フィルム映像とビデオ映像とでは色の表現が違うので正確な色再現ができないこと。映画は通常1秒24コマで構成されているのに対し、ビデオNTSCの場合は30フレーム(コマ)で構成されているため、動きのある映像に不自然さが出てしまうこと。ただ技術的にはかなり改善されてきたので、実際上大きな問題はないが、ビデオ映像作品をフィルムで制作すると色表現や動きなどから古いレトロなイメージになるので、そういう効果を狙うには良い。尚、反対にビデオ映像をフィルムに変換することを「キネレコ」というが、やはり上記と同様の問題点が存在する。ただあまり用途が少ない。
同ポジ
編集でほとんど同じ構図の2つの絵をつなげると変化が感じられなくなり、違和感を与えるつながりになってしまう。特に2つの絵が同じ場所で別の時間に撮られた同様の構図のカットをつなぐと、時間がいきなり飛んでしまう印象を与えてしまうので大変良くない。そういう2つのカットを「同ポジ」と呼ぶ。
トラック
映像や音声、その他の情報データの信号がビデオテープ上に記録される帯のこと。「映像トラック」「音声トラック」などと呼ぶ。
ドロップアウト
ビデオテープ上の磁性体がはく離したり、テープ上にゴミが付いたりして、信号記録が欠落したり、規定のレベルに達しないで、記録されたりすること。その場合には映像にノイズが入る。最近のVTRプレーヤーにはデジタル補正装置が付いているので、ある程度ノイズが軽減される。
【な行の用語】
ノンリニア編集
パソコン・編集ソフトを使用し、映像その他のデータをPC内のハードディスクに取り込んで、映像編集を行う方法。PCの性能向上に伴い、現在これが主流となりつつある。「リニア編集」(VTRプレーヤー・レコーダー・コントローラーなどの機械を使い、テープからテープへのダビングで編集をしていく方法)と比べた利点として、次のようなものがある。
・「リニア編集」に比べ、大幅にコストダウンが図れる
・「リニア編集」では大変手間と時間がかかるワイプやエフェクトや映像の合成などが比較的簡単にできてしまう
・編集作業にかかる時間が短縮できる
・編集作業スペースが小さくて済む
欠点として、次のようなものがある。
・映像専門知識とは別にPCの基本的な知識が必要である
・キャプチャ(映像の立ち上げ)と書き出し(VTRへの記録)の時間が必要なため、単純な編集作業では「リニア編集」の方が早い場合がある
・PCハードウェアの問題等でPC稼動が出来ない場合には作業が全くできない
・VTR機材に比べてPCハードウェアの稼動寿命が比較的短い
【は行の用語】
ハイアングルショット
撮影で、被写体を上から見下すカット。被写体が人物の場合、心理的には〔矮小化、見下す〕などという表現を狙う場合もあるが、必ずしもそうした限定的な表現だけとは限らない。報道などの撮影では場所が決められていてハイアングルにならざるを得ない場合もある。俯瞰(フカン)とは表現が違う。反対に下からのショットはローアングルショット。
ハイビジョン
→HD
バウンス照明
照明を被写体に直接当てるのではなく、壁、天井、レフ板など白い板状のものに当てて、その反射で被写体に照明を当てること。フラットで全体に行き渡る淡い照明になるので、間接照明的な表現で補助的に使うことが多い。
波形モニター
ビデオ映像の明るさの成分である「輝度信号」のレベルをチェックするためのスコープモニター。ベクトルスコープとセットで使用する。
バックライト
被写体の背後から当てる照明。被写体の輪郭を浮き立たせ、髪の毛のツヤなどを表現する意味がある。これがないと、被写体が背景に沈み、立体感が薄くなる。
パン
カメラを横方向に振って撮影すること。「パン」撮影にも基本があり、動き始めと終わり(止め)のカットがきちんと意味のある表現を作らなくては見る人に違和感・不安感を与えることになる。尚、縦方向に動かすことをテイルトというが、「パン・アップ(ダウン)」という言い方もする。
パン棒
三脚のカメラを動かす操作棒のこと。
引き
カメラのズームをワイドにして全体が映るようにすることを「引く」といい、全景のサイズを「引き」カットなどと言う。→寄り
被写界深度
被写体の明るさによりカメラレンズの絞りアイリスを開け閉めして撮影する明るさを調節するが、その際、レンズの絞りの特性でフォーカスの合う奥行きの範囲が変わってくる。絞ればフォーカスの合う範囲が深くなり、開ければその逆に範囲が浅くなる。簡単に説明すると、手前と奥の2人の人を撮影した場合、非常に明るい照明環境では「被写界深度」が深くなって2人共フォーカスが合うような映像が撮れる。逆に、より暗い環境下では「被写界深度」が浅くなり2人のフォーカスはどちらかしか合わない。「被写界深度」が深すぎると何処もフォーカスが合って奥行きのない映像になり、「被写界深度」が浅すぎるとピンボケになりがちになるので注意が必要。プロカメラマンは被写体の位置関係と明るさを考え、「絞り」・「フィルター」・シャッタースピード等を的確に操作して、意図する映像を作らなくてはならない。→アイリス シャッター
ピンマイク
インタビュー収録などで使用するタイピン型の小型仕込みマイク。
フィックス
カメラを固定し、ズームやパンなどの動きをしないで撮影するカット。
フィルライト
被写体の全体をやわらかく当てる照明。「おさえ」などとも言う。キーライトで当てられた被写体の影の部分を補って当てる場合が多い。当然「キーライト」より弱い明るさの照明を当てなくてはならない。→キーライト
ブーム
マイクスタンドの先端にマイクを取り付けるアームのことを言うが、通常「ハンドブーム」という手持ちの棒のことを指すことが多い。音声マンが持ってオペレートするが、操作方法にも経験と技術がないときちんとした音声を収録することはできない。
風防
屋外などでの収録時では風などの影響で、音声に「ボボボー」といった低音ノイズが入るために、それを軽減する目的で使う、マイク全体を覆う毛皮やメッシュやウレタンなどでできた専用のケースのこと。「ウインドジャーマー」とも言う。
俯瞰(フカン)
主に広い全景を撮影する目的で高い位置から撮影することを「俯瞰で撮る」という。
フェード・イン(アウト)
編集時に黒色などから徐々に映像を現していくことを「フェード・イン」その逆を「フェード・アウト」という。音声の場合は徐々に音声レベルを上げていくことを「フェード・イン」その逆を「フェード・アウト」という。
フォーカス・イン(アウト)
撮影でフォーカスがピンボケの状態から被写体にフォーカスを合わせていく表現を「フォーカス・イン」その逆を「フォーカス・アウト」という。
フレーム・イン(アウト)
カメラのとらえた画面の外側から被写体が入り込んで登場するカットを「フレーム・イン」、逆に画面の外に被写体が出て行くカットを「フレーム・アウト」という。
ブルーレイ・Blu-ray(略称表記:BD)
HD(ハイビジョン)映像の記録を主な目的に開発された次世代光ディスク。2003年に初めてソニーからレコーダーが発売された。DVDに使用されている赤色レーザーに比べ、波長の短い青紫色レーザーを使用。これによりDVDに比べ、5倍以上の記録容量が実現された。当初東芝などが開発、提唱していた「HDDVD」と競合し、版図を争っていたが、2008年東芝は「HDDVD」の新規生産を断念。事実上、世界のHD映像記録ディスクの規格が「ブルーレイ」に統一された。現在、1層25GBと2層50GBの二つのBDディスクがあり、DVD-Rと同様のBD-R、書換え可能なBD-REなどが市販されている。
ベクトルスコープ
ビデオ映像の色信号のレベルと位置バランスをチェックするためのスコープ。波形モニターとセットで使用する。
ホワイトバランス
ビデオカメラで撮影する場合、被写体のある現場の照明環境での正確な色を決めるために行うオペレートのことを主に言う。照明の種類や太陽光の状態(太陽の位置や天気に左右される)によって被写体の色は大きく変化する。人間の目は捉えた画像を脳で解析して色などを判断するので、照明環境が変わっても違和感を感じないが、カメラはその照明状態をそのままとらえて表現するので、ホワイトバランスが間違っていると大きく色の表現が変わってしまう。そこで、全ての色に共通の「白」色を「真の白」としてカメラに認識させれば、その場所の色表現が正確にできるというわけである。注意点として、専用の「グレーチャート」を使うこと、ミックス光の現場でのバランス調整、夕焼けなどでのあえての調整など、プロカメラマンの力量が問われる要素が多い。→色温度
【ま行の用語】
見切れ
撮影する画面に入ってはいけないものが、写り込んでしまうこと。
【や行の用語】
やおや(八百屋)
商品などの物品を撮影するときに、水平に置くと撮影しにくい場合、多少台を傾けることを「やおや」にする、という。
寄り
ズームなどで、被写体をできるだけアップにすることを「寄る」と言い、そういうカットを「寄り」と言う。→引き
【ら行の用語】
レンダリング
ノンリニア編集において、エフェクトやワイプをかけたりすると、場合によっては使用ファイルが大きくなるため、その映像を再生するのにハードであるPCの処理が間に合わない場合にはそのまま編集された映像を書き出すことはできないので、「レンダリング」という工程を行うことによって、編集ソフトで効果の指示をされた映像を新たにファイルとして作り出すことで、スムーズな映像再生が可能になる。
ローアングルショット
被写体を下から見上げるような表現で撮影すること。「あおり」ともいう。被写体が人物の場合には、〔自信がある、尊大、優越〕などのような心理的効果を狙うことが多いが、必ずしもそうした限定的な表現だけとは限らない。反対に上からのカットはハイアングルショット。
【わ行の用語】
ワークテープ
編集に使用する素材撮影テープなどをオフライン編集などに使用するためにVHSテープなどに複写したもの。複写する際には、タイムコード(TC)情報などをスーパーインポーズしてその映像のアドレスがわかるようにする。→オフライン作業
ワイプ
「A」「B」2つの映像をつなげて編集するときに、2次元または3次元の様々なパターンの効果をかけながら徐々に映像「A」から映像「B」ヘ変化させること。基本的には効果の内容が違うだけでオーバーラップ(OL)と原理は同じ。→OL
わらう
かたづけること、どけることを映像や舞台などの業界ではそう言う。

